3月になると時間が早い
さあ、始まりました。ビリビリ電気ショック。皆さん電気足りてますか?
3月に入ると、もう1年の6分の1が終わったのかと感じます。50代を超えた方とラジオをやることが多いんですけど、皆さん口をそろえて「もう3月か」とi言うと二宮さんに言われたんですが、年齢を重ねるほどに時間が早くなるんですよ。
そんな中で、最近あらためて考えさせられる出来事がありました。
現場の電線や設置後の電線まで盗まれる
うちの会社では施工の中で電線を扱います。いわゆる銅線です。東京オリンピックの銅メダルの銅と同じ銅ですね。この銅線が現場で盗まれることがあるんです。建物の中や敷地内に配線した電線を切って、そのまま持っていかれてしまうんです。売る目的で盗まれているので、完全に換金目的の犯行なんです。
現場に持ち込んだ電線を盗まれるだけではなく、すでに設置したものまで切って持っていかれることがあります。危なくないのかと思うじゃないですか。でも、脚立を持ってきたり、高枝切りばさみのようなものを使ったりして、実際にやる人がいるんです。住宅よりも建物内だったり敷地の中で起きることが多く、外部の人が入り込んで盗んでいくんです。
盗まれた電線は売られている
盗まれた電線は、銅として売られています。クズ鉄業者さんのようなところに持ち込んで換金するわけです。1回ごとの売却額だけを見ると小さく見えるかもしれませんが、こちらの被害額はそうではありません。10万、20万で済むこともありますが、ひどいと100万円を超えることもありました。工事のやり直しまで含めると、本当に大きな損失です。
一応、保険には入っています。ただ、保険で補償されるのは盗まれた電線そのものだけなんです。電線がなくなったからといって、やり直し工事の手間や費用まで出るわけではありません。だから、材料だけ戻ってきても実際の現場負担は残るんですよね。工事は最初からやり直しになりますし、本当に二重の負担でした。
警察から連絡が来ることもある
盗難のあと、しばらくして警察から連絡が来ることがあります。最初は「何か悪いことをしたかな」と思うじゃないですか。でも話を聞くと、盗みで捕まった人やグループの余罪を調べていたら、うちが入った現場でも盗んでいたことが分かった、という連絡なんです。被害届を出しているので、その照合作業として確認が来るわけですね。
警察から連絡があっても、取られたものが戻ってくるわけではありません。結局、確認作業で終わるんです。だから私は、筋違いかもしれませんけど、警察官の方に「本人に私たちが一生懸命仕事をして納めたものを盗まれることで、どれだけ多くの人が困っているか。その重さをきちんと伝えてほしい伝えてください」とお願いしたことがあります。
中には「本人も痛く反省しています」と言われることもありますし、警察の方も厳しく調べてくれているとは思います。でも、それで損害が消えるわけではありません。意味のない出費が増え、原価が二重にかかるようなものです。商売道具であり、工事に必要な材料でもあるので、ただ盗まれたで済ませられる話ではないんですよね。
防犯対策で減った現場もある
防ぎようがないのかというと、少しずつ対策は進んでいます。今まで防犯カメラをつけてくれなかった元請けさんが設置してくれるようになって、被害が減った現場もあります。エリアによっては、かなりなくなったという話もあります。ただ、それでもまだゼロにはなっていません。対策が効く部分はあるけれど、完全には防ぎきれていないのが現実です。
被害の出方を見ていると、どうしても内部の情報が流れているとしか思えないんです。たとえば、こちらが「明日から配線に入ります」と電線を持ち込んだ、その翌日にやられることがあるんです。つまり、電気屋がいつ入るか、いつ電線が現場にあるか、そういう情報を誰かが流しているんじゃないかと感じます。そこが本当に怖いところです。
以前ひどかったのは、現場の隣にあった空き家の駐車場の角に、僕らのやってる現場の鍵番号が書かれていたことです。これで開けられるから入ってくれ、という情報が置かれているようなものでした。情報を流している人がいて、それを売っている人がいる。そう考えないと説明がつかないんです。実際に情報を売って捕まった人もいましたし、自分でも盗っていた人もいました。
売る側の記録義務が追い風
最近の追い風としては、クズ鉄業者さん側で「誰が何を売りに来たか」を記録することが義務化されたことです。うちでも施工で出た端材を売ることはありますが、それは決まった取引先に、正式な依頼と証明をつけて処分しています。
だから、誰が持ち込んだものか、ちゃんと足がつくようになってきているんです。以前よりは、盗品を売りにくい流れにはなっています。
盗難の現実と結局は健全に働くことが一番大事
盗難そのものは最近始まったわけではなく、ずっと昔からあります。ひどい年だと、1年に4回、5回と続くこともありました。1人でやっている人もいれば、グループで動いている人もいる。もう一種の生業のようにしている人もいるんですよね。
でも、30万でも100万でも、そうやって盗ったお金で生きるより、ちゃんと働いた方がいいじゃないかと私は思います。
電線だけではなく、職人さんが持ち込んだ電動工具などが盗まれることもありました。中古工具店に行くと、名前の入った工具がそのまま売られていたこともあったんです。自分が盗まれたものが売られていた、と話していた職人さんもいました。商売道具を失うというのは、本当に仕事に直結する痛手です。買い直さなければいけませんし、現場も止まってしまいます。
建設業だけではなく、世の中全体でいろいろな不正や事件を耳にします。そういう話を聞くたびに、複雑な世の中だなと思います。でも、だからこそ当たり前のことを大事にしたいんですよね。人のものを取らない。健全に働く。結局はそこに尽きると思います。
ごくごく当たり前の事なんですが、健全に働きましょう!
それではみなさん、今週もご安全に!
話し手
勝谷 篤史
株式会社岡田電気工事代表取締役
義父が経営する岡田電気工事の事業承継のタイミングで業界未経験ながらも転身。現在は同社の代表取締役として皆様のお力を借りなからなんとかやっています。