漏電すると家中が真っ暗になる
さあ、始まりました。ビリビリ電気ショック。皆さん電気足りてますか?
前回話した漏電で一つ大事な点を言い忘れていました。漏電が起きるとメインブレーカーが落ち、家中の電気が全部止まります。火災を防ぐための安全装置です。
突然真っ暗になるので焦ると思いますが、今日はその復旧手順を改めて整理してお伝えします。
落ち着くことが最初の手順
漏電時は焦りがちですが、まずは分電盤の前で深呼吸することです。メインブレーカーが落ちているかを確認し、右側に並ぶ子ブレーカーを一度すべてオフにします。
その後、メインだけオンにすれば落ちず、漏電のある回路を切り離した状態を作れます。
1つずつ上げて漏電箇所を特定する
メインだけオンの状態で、子ブレーカーを1つずつゆっくり上げていきます。ある回路を入れた瞬間に再度メインが落ちたら、そこが漏電の原因です。
例えばキッチンの子ブレーカーを入れた時に落ちれば、キッチン内のどこかで漏電が起きているということです。
古い家電が原因のことが多い
漏電箇所を特定したら、その回路にある家電を疑います。冷蔵庫や洗濯機、給水ポンプなど、年数が経った機器は内部で漏電する場合があります。
プラグを抜いてブレーカーを上げ直して落ちなければ、その家電が原因です。工事現場でも古い工具が漏電の原因になることがあります。
電気工事店で直せないケース
原因が家電本体の場合、私たち電気工事店では対応できません。私たちは配線の専門で、家電の修理はメーカーの領域だからです。
説明すると驚かれることもありますが、長く使った家電は買い替えが必要な場合もあります。今は現場が多く、個人宅のすべてに伺えない状況もあります。
困ったときは組合ルートもある
当社に問い合わせが集中してしまうことがありますが、電気工事組合には家庭内の軽工事に対応できる電気屋さんが登録されています。
組合に相談してもらえれば、地域の業者を紹介してもらえる仕組みがありますので、困ったときは活用してほしいです。
昔はもっと不便だったが、分電盤は進化し続けている
ブレーカーが落ちると固定電話まで止まり、外の公衆電話まで走るしかなかった時代もありました。
地図アプリもナビも今ほど精度がなく、知らない道に入って不安になることもありました。スマホやCarPlayが当たり前になった今、本当に便利な時代になったと感じます。
分電盤も時代とともに進化しています。地震で自動的に落ちる感震ブレーカー、雷の異常電圧を検知するタイプ、太陽光用の分電盤など、ほんと色々あるので住宅の設備に合わせた機能が増えています。
保険のようなものですが、備えておくと安心感は大きいですね。
電気の基本は昔から変わらない
便利な時代になっても、電気の仕組みや分電盤の原則はほとんど変わっていません。普段意識されることは少ないですが、仕組みを知っておくと、いざという時に落ち着いて行動できます。
関心が薄い分野だからこそ、こうして話す意味があると思っています。
最後に伝えたいこと
「電気は便利で当たり前に見えますが、扱いを誤れば危険を伴います。漏電時に落ち着くこと、古い家電は疑うこと、困ったら専門家に相談すること。この3つを知っておくだけでトラブルはだいぶ減ります。
それでは今週も皆さん、電気にも気をつけてご安全に。
話し手
勝谷 篤史
株式会社岡田電気工事代表取締役
義父が経営する岡田電気工事の事業承継のタイミングで業界未経験ながらも転身。現在は同社の代表取締役として皆様のお力を借りなからなんとかやっています。