電気の話ができていないビリビリでんきショック
さあ、始まりました。ビリビリ電気ショック。皆さん電気足りてますか?今日は電気の話をしようと思ってるんです。なかなか電気の話ができていなくて、ビリビリでんきショックらしくやらないといけないなと思って、前回の分電盤の話から今回は電気が落ちた後にどうすればいいかお話します。
分電盤はどこにある?意外と知らない場所
分電盤が家のどこにあるかって、実はほとんどの人が認識してないんですよ。大体は洗面所とか脱衣所、キッチンの近く、もしくは倉庫の中とか、あまり人目に触れないところについているのが日本の住宅事情なんです。
海外に行くと、電気がよく落ちる国ほど、みんなが通る廊下やリビングに堂々と分電盤があるんですけど、日本は電力の供給が安定しているので、そんなに目につく場所に付けないんですよね。だから“どこにあるか知らない”って人が多いんです。
容量オーバーでブレーカーが落ちる仕組み
電気が落ちる理由の1つは、容量オーバーです。ドライヤーとか電子レンジとか、電気の使用量が大きい家電を同時に使うと、ブレーカーが落ちることがありますよね。でもあれはシンプルで、落ちたらまた上げればいいだけなんです。
一般家庭だと1回路20Aで設計されていることが多くて、例えばリビングで暖房器具を使って落ちたなら、リビングのブレーカーだけ上げれば復旧します。
漏電ブレーカーが落ちる“もう1つの理由”
電気が落ちる原因はもう1つあって、それが“漏電”です。分電盤の一番左側にある大きなブレーカーは、容量オーバーと漏電の両方を検知する仕組みなんです。
例えば古い家電製品が内部で劣化して漏電したり、水を誤ってコンセントにかけてしまったり、そういう時に「電気が漏れてますよ」と判断してブレーカーがバチンと落ちます。右側の小ブレーカーは無事なのに、左だけ落ちている時は漏電の可能性が高いんです。
家電の劣化と漏電の関係
人生で漏電ブレーカーが落ちたことがない方は多いと思います。でも実際には、古い家電が原因で起きることが一番多いんです。
特に10年以上使っているもの。さらに、自宅に給水ポンプを置いている古い住宅だと、そのポンプが劣化して漏電し、ブレーカーが落ちるという事例も昔はよくありました。今でもゼロではなくて、古くなった電線や機器が正常に電気を流せない状態になると、ブレーカーが反応するんです。
家の中にも電線が走っている
普通のコンセントって壁についてますけど、その裏側にはちゃんと電線が走ってるんです。天井の中を通って、上から落ちてくるようにしてスイッチやコンセントに繋がっています。これを知らない方は結構多いんですよね。
だから例えば壁にポスターを画鋲で貼った時、たまたまその画鋲が壁の中の電線に刺さってしまって、そこから漏電して、ひどいと火災になるというニュースも過去にありました。壁の中って見えないからこそ、実は注意が必要なんです。
コードを結ぶクセが事故の元になる
こたつやドライヤーの電源コードって、長いから結んじゃいがちじゃないですか。でも良くなくて、電線の劣化に繋がるんです。結んで負荷がかかった部分は熱を持ちやすくなって、そこから発火したり漏電するリスクが上がります。
古いドライヤーのコードって、癖がついてヨレヨレになってることありますよね。あれをそのまま使うのも危ないんです。椅子でコードを踏んだり、こたつの線を挟んでしまったりするのも同じで、日常の“ちょっとした扱い”で事故の原因がつくられてしまうんです。
電気火災は今も日常的に起きている
最近あまりニュースで見ないから意識しないですけど、電気が原因の火災って今でも普通に起きています。すごく大きな例で言うと、沖縄の首里城の火災も原因は電気火災でした。あれはショッキングでしたよね。もし自分たちが工事した場所でそういうことが起きたら…と考えると、損害も含めて本当に大変なことになります。
日常で使っている家電や電線の劣化でも起こりえるので、それだけ電気って“便利だけど扱いを間違えると怖い”ものなんです。
電気の点検はどうなっている?
「電気って点検あるんですか?」って聞かれるんですが、一応あります。東京電力の委託を受けた検査員が分電盤に測定器を当てて、漏電してないかを確認してくれるんです。ただ、これを悪用した詐欺もあるので注意が必要なんですよね。
二宮さんの自宅はもう6〜7年目らしいですが、まだ点検されたことがないそうです。案内が来るかどうかは地域や契約状況にもよります。不安な場合は、私たちのような電気工事店に調査を依頼するのも1つの方法です。
震災で増える“通電火災”という危険
震災の時に電気火災が多かったのは、通電火災が原因なんです。家が揺れて天井や壁が落ちて、中の電線が傷んでしまう。そして停電が復旧してブレーカーを上げた瞬間、傷んだ電線から火が出るケースがあります。ガス火災のイメージが強いですけど、電気も同じくらい危ないんですよ。
普段意識しない部分だからこそ、知っておくだけでも対策になりますし、電気は便利なぶん“壊れた状態で流すと危険”ということを頭の片隅に置いておいてほしいんです。
電力会社や協会が発信する“安全のポイント”
関東電気保安協会などのサイトには、家庭で気をつけるべきポイントがまとまっています。例えば「動かしていない冷蔵庫の裏に埃が溜まっていないか」「コードを家具で押しつぶしていないか」など、意外と見落としがちな注意点ばかりです。
8月は電気の安全月間で、事故が一番多い季節でもあるんですが、冬も暖房器具で同じくらい電気を使うので注意が必要です。日常の中で“電気を正しく扱えているか”を少し見直すだけで、事故のリスクはぐっと減ります。ご家庭でも電気の扱いには気をつけてくださいね。
今週もご安全に。
話し手
勝谷 篤史
株式会社岡田電気工事代表取締役
義父が経営する岡田電気工事の事業承継のタイミングで業界未経験ながらも転身。現在は同社の代表取締役として皆様のお力を借りなからなんとかやっています。