ポッドキャストを始めた理由とは?

実はこのポッドキャスト、社内でもあまり知られていなかったんですよね。やっていることを隠しているつもりはなかったんですけど、どうやらうまく伝わっていなかったみたいで。

「なんでポッドキャストやってるの?」って疑問、すごく分かります。実際、私の周りでもやってる人、聞いてる人、ほとんどいなかったんです。だから、ポッドキャストという手段だけが一人歩きして「社長、何やってんの?」ってなっちゃったのかもしれません。

社員のみなさんに伝えたいのは、これは単にラジオをやりたかったわけじゃないということなんです。私としては「会社の雰囲気をどうやって届けようか」「どうしたら考えていることが伝わるだろうか」というところからスタートしていて、その手段としてポッドキャストがちょうど良かったんですよね。

社員にはどう伝えていく?

会社のことを全て理解してください、とは思っていません。私もかつては社員でしたから、経営者のやっていることが理解できなかったこともたくさんありました。でも今、社長という立場になってみると、社員のみなさんには伝わらない部分も多いなと実感しています。

採用のミスマッチを減らしたいっていうのが1つの大きなゴールではあるんですけど、それ以上に「社長は何を考えてるのか」「会社はどこに向かっているのか」を届ける方法をずっと模索していたんです。全部を理解してもらうのは無理かもしれないけど、最低限「ああ、社長がなんかまたやってるな」って感じで、生暖かく見守ってもらえたらいいなと。

なぜ「ポッドキャスト」だったのか

最初に言っておきたいのは「絶対にポッドキャストでなきゃダメだった」というわけではありません。ブログでもYouTubeでも良かったんです。ただ、やっぱり一番しっくりきたのが「声」でした。

YouTubeのような映像媒体は見る方にも作る方にも負担が大きくて。ブログも毎日書くのは大変だし、読む側もしんどいでしょう? その点、ポッドキャストなら“声”だけで届けられるし、社員の皆さんも通勤中などに気軽に聞ける。強制じゃなくて、自分のタイミングで聞けるのも大きなポイントです。

採用活動としての狙い

目的はラジオをやることじゃなくて、会社のことを伝えること。特に採用の場面では、会社をよく調べた上で「ここに応募したい」って思ってもらえるようにする必要があります。でも、数ある会社の中で1社に選ばれるって、本当に大変なことなんですよ。そのためにも、社長の考えとか社員の雰囲気を“声”で届けたいと思っています。

ホームページは今や当たり前。そこに加えて、社長の考えや、社員のリアルな声がわかるコンテンツが必要なんです。ラジオなら、顔出しが苦手な方でも参加できますし、ゲストとして登場してもらえれば「この会社で働くってこういうことなんだな」って感じてもらえると思っています。

離職や課題にも向き合いたい

もちろん、いいことばかりを並べたいとは思っていません。社員が辞めてしまう背景に何があるのか、居心地の悪さや働きづらさがあるなら、それをちゃんと知って改善していきたいという気持ちがあります。

でも、そういう本音ってなかなか社員からは聞き出しにくいんですよね。だからこそ、少しずつこういったコンテンツを積み上げて、社内外にリアルを届けることで「あ、社長はこう考えてるんだな」って伝わるようになればいいなと。

速効性はない。でも意味はある

正直、すぐに結果が出るものじゃないってことは分かってます。でも、こういうコンテンツって積み重ねなんですよね。続けていく中で「ラジオ聞きました」とか「動画見ました」って言ってもらえるようになる。

その未来を信じて、気長に、でもしっかりやっていきたいなと思っています。

動画でも“雰囲気”を伝えたい

最近、動画も撮ってみたんですよ。YouTubeとはちょっと違って「プラモ対談」っていう、プラモデルを作りながら雑談する企画なんですけどこれが結構おもしろくて。雰囲気を伝えるって意味では、すごくいいコンテンツになるかもしれないなって思っています。

実は「プラモ対談」、作るのに集中しすぎて何を話していたか、あんまり覚えてないんですよ(笑)。でも、編集された映像を見ると、ちゃんと雰囲気は伝わっていて。真面目な話より自然な空気の中で“その人らしさ”が出ているのが良かったですね。こういう試み、もっとやっていきたいです。

応募者にも“リアル”を伝えたい

このラジオを聞いてくださっている方の中に、もし応募を考えている人がいたら「こんな会社です」ってことを、ありのまま受け取ってほしいんです。理想だけじゃなく、悩んでることや課題も含めて、それをどう乗り越えていこうとしているかまで含めて、リアルを伝えていきたいと思ってます。

家庭でもそうですけど、親の言うことって子どもはなかなか聞かないですよね。でも第三者の言葉ってスッと入ることがある。それと同じように、私の声が社員に届かない時も、こうやってラジオの形にすることで、ちょっとだけ耳に届く瞬間があるんじゃないかなと思っています。

フルオープンな会社を目指して

最終的に目指しているのは「この会社で働きたい」と心から思ってもらえるような、フルオープンな会社です。顔や名前を出すことに抵抗がある人もいるとは思いますが、できる範囲で一緒に“伝える文化”をつくっていけたらなと思っています。

私自身、この活動がすごく勉強になってるんです。自分の考えを整理することにもなりますし、社員との接点にもなる。だからぜひ、楽しんで参加してもらえたら嬉しいです。そして、岡田電気工事の未来のために少しでも力を貸していただけたらありがたいなと思ってます。

話し手

勝谷 篤史

株式会社岡田電気工事代表取締役

義父が経営する岡田電気工事の事業承継のタイミングで業界未経験ながらも転身。現在は同社の代表取締役として皆様のお力を借りなからなんとかやっています。